鏡
女神と自省の鏡・・ アドベント

クリスマスのヤドリギ

ヤドリギ
Viscum album L.var. coloratum(Komar.)Ohwi
ヤドリギ科の常緑半寄生小低木
ニレ科植物(ケヤキ、エノキ、ムクノキなど)
ブナ科植物(ミズナラなど)
バラ科やクワ科の広葉樹に寄生
果実は帯黄白色
果実が赤いものはアカヤドリギとして区別される

欧米では
セイヨウヤドリギ(Viscum album L.
英名commonn miscletoe,Europian miscletoeが
クリスマスの飾りに珍重され、
その枝の下では女性にキスすることが許される習慣がある。


祭礼での使用の起こりはキリスト教以前で
古くから神聖な植物とされてきた。
茎葉は血圧降下、利尿作用を有することで知られる。
東北の不作のときに食用にされたたひょう餅の原料
果実や茎葉の粘液からはトリモチがつくられる


mistletoe

ヤドリギの花や実が見られるサイト
■『ウィキペディア(Wikipedia)
木々の移ろい(梶本さん)


古代ヨーロッパではケルト人の宗教行事に使用された。

ケルトの聖職者は ヤドリギを
夏至や冬至の夜などに黄金の鎌で切り取り
村へ持ち帰って祭壇に安置したという。

ヤドリギが古くから神聖視されてきた理由は
冬になって宿り主である落葉樹のオークが
葉を落としているのに反し
青々とした葉をもち続けており、
その結果一旦葉を落としたオークの木が再生したように見えるからである。

北欧神話では、
オーディン(知恵・詩・戦い・農業の神)の息子バルドルが
一旦は悪神ロキによって宿木で作られた矢で射殺されるが
その後生きかえるという話が伝えられている
これも
ヤドリギのもつ死と復活のイメージに関係する
(平凡社世界百科事典 山下正男)

古代ケルト人の冬至の宗教的儀式から。
クリスマスにヤドリギを飾り、その下に立つ女性とは誰でもキスができる。
落葉樹に寄生し、冬も枯れないヤドリギを、春の女神のシンボルと見た。

寒川猫持
万葉集に
「大伴家持は新年にヤドリギをかざして千年の栄えを願った」と。

参考:「花おりおり」湯浅浩史 (2002/11) 朝日新聞社

「植物と行事―その由来を推理する」
湯浅 浩史 (著) 単行本 (1993/07) 朝日選書
神と交わる木、マツ
クリスマス植物の由来


  inserted by FC2 system