竹
竹に雀というと伊達氏の家紋だそう・・
そして
日本画の画題となっている。・・この絵は雀らしく感じられないのは、スマートなせい?
寒いので体を膨らましている雀を、
俳句では「ふくらすずめ(
福良雀、張雀)」といって冬の季語になっているそうな。
寒雀、という言葉もありますね・・
寒雀(役者紋)by Wikipedia
関心空間にもありますが、道元禅師の
寒竹裂く、という言葉が出てきます。
栗田さんも、竹というと凛と身の引きしまるような気がすると。
寒山拾得や竹林の七賢、中国神仙思想や孤高なる隠者に結びついていると。(p166)
(・・栗田勇さんの「花のある暮らし」より抜き書き続き・・)
それとは対照的なイメージで
松竹梅がセットで祝儀のデザインとなったのは室町以降
陰
竹の隠逸イズム::中国の老荘思想に由来
山水画「三益斎図」、
歳寒三友のような高士隠士の系譜は『わび』『さび』の極意「枯れかじけて寒むかれ」
陽
日本独自の竹に関する物語、神話
黄泉の国から逃げる・・『古事記』
伊邪那岐命が捕まりそうになると投げるもの・・
黒い蔓草の髪飾り、(→蔓草=山ぶどう・・長寿を願う「生命の木」に)
瓜型の竹の櫛の歯を投げると竹の子になる。(竹も邪気を払うものと信じられていた)
伊邪那岐命は民俗学の創造神そのもの(p171)
歳寒三友
東洋画の画題の一。寒さに耐える松・竹・梅、または梅・水仙・竹。(by
goo辞書)
天の岩屋戸で踊る・・『古事記』
太陽神 天照大御神がお岩屋に隠れたしまった時、出てきてもらうため
踊りの神 天宇受売命(あまのうずめのみこと)が天の香山の小竹葉(おさば)を持って踊る
中国文化を下敷きにした和歌・・・『万葉集』
竹にまつわる歌は長短20首くらい・・日本的な霊性を持つ祭具としての「竹玉」「竹珠」をよむ
竹そのものを読んだ歌は3,4首
竹取りの物語
中国の大昔の伝説に由来する竹から子どもが生まれる(『後漢書』
西南夷伝)
チベットの物語「斑竹姑娘」に似ている。
天女の神婚、近親相姦のモチーフ(折口信夫系の解釈by山田宗睦)
七夕祭りと天地への心情
身近な竹は七夕祭り
川中にみあれする水神を迎え、それを斎(いつ)く女がいた(折口信夫系の解釈)
天女の神婚、羽衣伝説
生活文化の中の竹
花は平安の終わりごろまでは文学として表現されることが多いが、鎌倉に入ると、造形に転化する(p180)
鎌倉末期室町時代から、
生活文化の中心であった茶の湯が大変に竹を好んで用いることで、日本的で総合的な竹工芸の世界を広げた
不思議なもので、江戸時代には虎に竹をあしらった絵が流行った。
(生命力た強いものどうしの取り合わせ)
竹への思い
なぜ日本人の心を惹くのか
「竹を割ったような」
常緑、繁殖するのに花もなくいきなり芽を出す、
生命力と生まれたばかりのようなすっきりした清々しさ
他の植物とは違った空間を構成しているように見える
幹が中空「素の心」
奥深くに異界の生殖の持つ一種秘められたエロティシズムが閉じ込められ、日本的な「色好み」がある(p182の結語)