暦と季節

陰暦の月の名称について、 特に書いておこうと思うのは「大言海」によれば、、 陰暦の月の名称は、稲禾の成熟の次第を逐って 名付けた とされることです。(以下「月の異名」のページへ

しかし・・、どうも・・
季節感に合いませんね・・
特に収穫の時である、秋は・・
少し考えてみます・・

「年」と「歳」

ここで、同じく「とし」と読む、漢字(象形文字)、「年」と「歳」の違いについてです・・

「年」は人間の営みから

・・・・・元旦から大みそかまでを言う

「歳」 は天文から

・・・・・節分から節分をいう

(出典は安部基雄さんの『漢字随筆』平成元年刊)

安部さんによれば、「年」の元の字は 季節の「季」の字の上の部分である禾「ノギ(いね)」と 「千」(はらみふくれる)(「説文解字」から)
意味は(みのり=五穀の良く熟すこと)という
イネは一年に一度実るので「とし」の意味となる。
白川静さんによれば、この「禾」はイネの形の被り物で、「年」は 「禾」と「人」の会意文字という。
禾という被り物をかぶって、稲魂に扮装して農作物の 豊作を祈る祈年(としごい)をする男を「」といい、女を「委」という。
「季」は、禾と子の会意文字で、「子」は一番下の子で、 「すえ」のほかに「とき」とよむ。

ちなみに、角川大字源では、 禾は(幼稚の稚で)、「季」は成長の遅れている子どもで、末の子を指すという字解。これではわからないですね。

「季」と「節」

上に、「歳」 は天文からで、 節分から節分をいう、とありまじたね。
そこで

「節」について

竹の節(ふし)のあるところをいう、と「字解」に。
古くはこの竹の節の部分に刻みを入れて、符節(割符。しるし)として使者の印として持参させた。(使節) その取扱い方の規定は「節度」、儀礼については「礼節」といった。
一定の次第・順序があることから、季候(季節)という。
(by白川静『字解』)

秋の季節感

以下は秋!?

八月「葉月(はづき)」
稲の穂の「發月(はつづき)」の義、
或いは「葉落ち月」の義・・大言海より。
語源俗説によれば 成長の激しい月であり、最も葉の茂る月であることから、という しかし陰暦八月一日は九月七日であった
(その他の八月の異称↓)
月見月(つきみづき) 草津月(くさつづき) 萩月(はぎつき)


九月 (「 長月(ながつき)」
稲熟(イナアガリ)ノ略カ・・ 夜長月ノ略トイウハイカガカ・・大言海より。
語源俗説(!?)によれば、夜が長く月が美しい月であるから、という
陰暦九月一日は十月六日で, 新暦九月一日は七月十四日であった
(その他の九月の異称↓)
紅葉月(もみじつき) 菊月(きくづき)


十月 (「神無月(かんなづき)」)
大言海によれば 「かみなづき」の「神無」は当て字で 醸成(カミナシ)月の義。 十月は翌月の新嘗の設けに 新酒を醸す月なり
(その他の十月の異称↓)
時雨月(しぐれつき) 初霜月(はつしもつき)
新暦十月一日=旧暦八月二十五日

== 陰暦変換プログラム ==

(上記サイトは見当たらないためこちらをご覧くださいhttp://koyomi.vis.ne.jp/

おまけです(その1)

「新年お芽出とう」と書きたい

「新年おめでとう」は「新年お芽出とう」と書きたいという、『漢字随筆』で安部基雄さん・・・
そのこころは、 「新」という字は木の伐採からきている。
左は立つに木で、右は斧
できたものはくさかんむりをつけた薪(たきぎ)

「おめでとう」の方は目が出るのでなくて、芽が出るのだと。
・・草木の「メ」が、牙のように萌え出る・・
・・|(たてぼう)は幹で、━(よこぼう)は枝葉

おまけです(その2)

「春」の象形

by安部基雄さんの解説で、
草の芽がいっぱい出てくるのが「春」の形 ・・草の芽の形は「生」の形の中にもあると・・・なるほど。

「寒い冬の間閉じ込めた草の根 それが日の光を受けてようやく芽を出そうとするという意味」 (白川静「字解」)

夕日



■更新日■2008-08-19


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